リーダーシップ


10月9日に、雄踏文化会館で行われた「受動喫煙防止サミットin浜松」に行ってきました。
 神奈川県での受動喫煙防止条例が実際に施行されるまでの道筋を、松沢成文知事がお話しくださいました。お互いの立場や事情を汲取り、理解を示し、歩み寄る姿勢があればこそ、共通の方向性を互いに見出し、実現へ歩みだすことができる。という趣旨のお話に、非常に感銘を受けました。
 とかく、相手を論争によって打ち負かそうとすることをしても、理解を共有することにはなりません。
 理想を掲げても、実効性がなければただの絵に描いた餅に過ぎません。しかし、理念の理解が広がれば、理想の実現はより現実的に可能性が高くなるはずです。
 10月になり、禁煙指導を希望される方がにわかに増えてきました。しかし、ほとんどの皆さんは、喫煙の有害性の実態どころか、受動喫煙についての具体的な理解が欠けていることに、禁煙指導を受けてから御自身でびっくりされる方が多いことに、私自身はあらためてびっくりしています。
 禁煙を志している方でさえそうなのです。テーブルの灰皿が、喫煙を誰に断わりを入れることなく自由にしてよいという免罪符であるかのような、静岡県の飲食店で当たり前に目にさらされる(と同時に肥溜と排気ガスとごみ焼却場の匂いのカクテルのような香りが鼻にまとわりつく)振る舞いには、我々が日々の啓発をしっかり行っていくことが解決への道筋だと痛感しています。
 喫煙の問題な限らず、腰を据えてじっくり腹を割って、よく話を聞き、理解を深めていくことが何事にも重要だということを、学ばせていただきました。
 おりしも、チリの落盤事故から奇跡的に生還を果たされた皆さんの姿が報道されています。監督のリーダーシップのもと、生還を果たすという共通の目的に結束した信念のエネルギーが奇跡の扉を開けるほどにおおきな力を持つことに、人間の持つ素晴らしい可能性を感じます。信頼されるリーダーは、一人ひとりを信頼する心を持ち合わせた人のみがその役割を与えられ、信念を実行させる力を持つのだということを学んだ気がいたします。
 だれか一人がリーダーとしてヒーローになるのではなく、仲間たち一人一人が信念・理念を実行するヒーローとして行動できる状況を創出するのが、リーダーシップの本質なのだということを感じました。