プリウスと修悦体と安田クリニックをつなぐもの

 新型プリウスが安田クリニックにやって来てはや1カ月以上がたちました。最近、ようやくハイブリッドカーならではの燃費運転のコツも解ってきて、燃費系のデータを気にしながらデリケートなアクセルワークを工夫するのが楽しくなってきました。遠いところでは30kmほど離れたお宅まで往診に行っていますが、まったく退屈せず、疲れません。若かりし頃に乗っていた750ccのオートバイよりも燃費がいいので驚いてしまいます。納車待ちの列ができる人気もうなずけます。最近、うちのプリウスの兄弟たちとあちこちですれ違うことが多くなりました。
 しかし、話題の「修悦体」を誇らしげにボディにあしらったプリウスは、世界でたった1台です。都田は本当に緑が多くて美しいところです。アクアブルーメタリックは、グリーンにちかい色彩をおびており、緑色が基調色の「安田クリニック」のロゴ・シンボルマークとともに、この都田の風景によく溶け込みます。

  駅を利用する人々が道に迷わないようにと、修悦体佐藤修悦さんの「やさしさ」から生まれました。
 プリウスは環境への「やさしさ」から生まれました。それは、次世代の健康と暮らしを守る「やさしさ」でもあります。そして次世代のクルマの方向性を高らかに示した記念碑的な存在でもあります。
 医療の本質は、「やさしさ」にあります。しかし医療・医学は、このリサイクル全盛の時代に「使い捨て」が推奨される、環境エコとはおよそ逆行した矛盾を抱えています。患者さんの血液・体液が付着する物品は、人から人へ病気を媒介する可能性があるために、一定のコストで済むものは処分されることが望まれています。現世代を守るために、次世代へのツケを残し続けているのかもしれません。往診先で採血をしたりすることもあります。針などは診療所に持ち帰った後、医療廃棄物として処分するわけです。そのうえガソリンを浪費しCO2をどんどん排出しながら移動していては、次世代へのツケを大きくするばかりです。人類が進むべき道の中で、エコについては遠回りを強いられているのが医療なのかもしれません。
 ですから、「安田クリニック」は、「修悦体」でプリウスに乗って走るのです。患者さんが自宅過ごすための帰り道を案内するために。患者さんの生きざまを次世代を担うお子さんやお孫さんに見せることは、若い世代の生命観・家族観・人生観の形成に大きな道案内にもなります。