ガムテープで文字を書いちゃった!修悦体 in 名古屋

 今週末、名古屋の東急ハンズ・アネックスで、佐藤修悦さんのイベントがありました。子供たちが、佐藤さんに御指導いただきながら「夢」という文字を自分の手で作るという趣向です。うちの子供たちもつくらせていただきました。


 子供たちは、佐藤さんとは初対面なのですが、佐藤さんの気さくで飾り気のない人柄と細やかな気配りに、すっかり「夢」中になっていました。
 「夢」の「夕」の「ヽ」を最後に入れて完成なのですが、ここがアートとしての「修悦体」の真骨頂。それぞれの好きなモチーフで「ヽ」を表現し、それぞれの唯一無二の「夢」という文字が誕生しました。長男はカブトムシ、次男は海でした。兄弟の絆を一生意識して欲しいと考えて「山」と「海」にちなんだ名前をつけたのですが、それにふさわしい「夢」の文字が、それぞれに与えられました。


 それにしても圧巻は、修悦さん御自身が行う製作実演でした。
大パネルにテキパキと縦横無尽にテープをたった10分ほどで貼りめぐらしたかと思ったら、20分かけてカッターナイフを使って余分なテープを切り取っていきます。字の角ばったところは絶妙に丸みを加工してといった作業が続きます。ようやく何を文字として書こうとしているのかを察することが出来たのは、How to本「ガムテープで文字を書こう」で傾向と対策をあらかじめ研究していた私でも、最後の文字が「き」で、その前が「女」へんの文字、その前は「大」の字だということが判ってきてからでした。善意と気配りの佐藤修悦さんならではのモチーフに違いないと推理すると、「ハンズ大好き」がなるほど見えてくるような気がして、数分後に完成したのでした。
 しかし、修悦さんが天才だと思うのは、明らかに「ハンズ大好き」と書こうとその場で思いついた風なのに、基本的レイアウトを完成させる作業のほうがあっという間に短時間で行われ、仕上げの作業のほうが入念に時間をかけて行われているところです。凡人ではこの逆のパターンで、基本レイアウトに無駄な時間と試行錯誤が多く、完成品の出来を損ないます。
 こうして「安田クリニック」も生まれたのだなと思うと、佐藤さんのような裏表のない善意の診療所であり続けることを、肝に改めて命じたのでした。
 患者さんをおいて遠方に出かけられない在宅緩和医療の「安田クリニック」の子供たちにとって、近場でかけがえのない「夢」と思い出と、5階売り場でずっと前から捜し求めていたカピバラちゃんの大きなぬいぐるみとの出会いをいただいたこれからもずっと大切な夏休みの一日でした。