砂掘会

 毎月第一日曜日は、聖隷浜松病院の有志のゴルフコンペ「砂掘会」が行われます。7月5日は第466回めを数える、実に40年近くにわたって続く伝統あるコンペです。
 40年も続くコンペともなると、大先達の先生が思いがけないところで「砂掘会かあ、懐かしいねえ。」などと感慨深げにその名前を口にするのをお聞きすることもあります。
 多いときは20〜30人の参加者でにぎわうこともありましたが、昨日は6人のみだったように、かろうじてコンペとしての体裁を保つことが最近増えてきました。
 「この伝統を絶えさせてはならない!」と、このような少人数の回に参加したメンバーの中に、独特の危機感に裏打ちされた結束と連帯感が生まれるのを感じます。私も見習い医だったころから参加させていただいていますので、かれこれ足かけ17年になります。御殿場にいた10年間もほぼ毎回このコンペのためには浜松に帰ってきて参加していました。数年前までは、8月のコンペは、避暑を兼ねて太平洋クラブ御殿場コースで行うことが習わしとなっていました。
 外科医には職人としての側面があり、若い頃にお世話になった上司は「師匠」として、医師人生においての特別な存在です。
 ゴルフコンペを通じて恩師たちに近況を報告したり、情報交換を行うことによって、若かりし日々の初心を保つこともできます。縁を大事にしていると、縁の力が自らの進むべき道を教えてくれることもあります。
 砂掘会が「浜松カントリークラブ」で行われる際には、実はこの診療所の横の道を通るのが常でした。いつもこの場所を通るたびに何とも言えない不思議とひきつけられるような感覚を抱いていたのですが、まさか縁が縁を呼んで、この地で本当に開業することになるとは、今でも不思議な感慨を抱いております。
 だんだん減ってきた常連の参加者の口からは、「500回記念はどこでやろうか?」と、継続を前提にした話題で盛り上がります。まさに継続は力なり。