あけましておめでとうございます。

 あけましておめでとうございます。
 2009年、混迷の世相の中、「安田クリニック」は誕生します。
格別の思いで迎えた新年ですが、思い出せば、大学受験、国家試験を控えた正月も、同じような緊張と不安と新たなステージへの期待の入り混じった気持ちの昂りを感じたような気がします。少し若返ったような気もするから不思議です。
 大学受験の時も、国家試験の時も、高校入試の時もそうでしたが、やっぱり神頼みが薬になるようです。ドライブもかねて初詣に行ってきました。いつもなら自宅から一時間弱ほどの道のりなのですが、残り4kmから大渋滞にはまり、4時間以上かかってしまいました。困った時には神頼みなのは、不景気の時代にこそ顕著に現れるのでしょうか?帰り道のラジオで、ちょうど神社の地元の方からの、例年より渋滞がひどいというコメントが紹介されていて、妙に納得しました。
 「安田クリニック」では、禁煙指導にも力を入れていきます。神社の駐車場から参道、境内に到るまでに、歩きタバコをする人に何人もすれ違いました。歩きタバコは、受動喫煙を他者に及ぼすだけでなく、子供の眼を失明させる恐れすらある危険極まりない迷惑行為なのです。中には、自分の子供を連れ歩きながらタバコを吸うお父さんらしき方までいる始末。どのような殊勝な態度で願い事を神様にお祈りしても、直後に他人に迷惑をかけながら帰り道を悠然と歩くのでは、神様も罰を与えるかどうかはともかく、優先して願い事をかなえてやるべきかどうかさぞかし困惑をされるのではないかとこちらも複雑な気持ちになりました。
 「あなたが変わればマナーが変わる」というキャッチフレーズのみで、「喫煙は大人の正当な権利としての嗜好である」とタバコの世界基準での正当な課税に歯止めがかけられてしまう世の中です。「マナー」が守られなければ人に危害を与えかねない嗜好が、大人の正当な権利としてこれからも容認される道を残すとするならば、「マナー」が必要な嗜好品を売る立場にありながら「あなたが変わりなさい」と上から目線で呼びかけている存在自身が是非とも変わっていただき、喫煙に「マナー」が必要な理由について消費者を啓発する社会的責任という「マナー」を是非ともこれまで以上に励行して成果を上げていただきたいものです。
 私は、医者である前に一人の未熟な若造だった頃にかけがえのない恩人と慕った、大切な方たちを少なくとも4人、恩返しもままならないまま失っています。4方とも、タバコが無ければ、あのような別れは無かったものと医者として思い返すしか、恩返しの道はありません。そして、その恩人たちに出来なかった恩返しを、私のクリニックに来ていただく地域の皆様にすることが、2009年からスタートする私の第2の人生なのです。