修悦体の「安田クリニック」

 「安田クリニック」という名称に、「シンプルな名前にしたんですね」と、後輩の外科医が意外そうな顔をしていました。
 大腸内視鏡、在宅緩和医療を診療所の2本の柱としていくつもりですが、何でも相談してもらえる世間話の診療所であることを基本にしたいとの思いがあります。また、3年前に現在の職場(磐田市の新都市クリニック)のオープニングスタッフに招いていただくまでの10年間、御殿場で仕事をしていましたので、連絡が密ではなくなってしまった浜松の恩人たちに、私が浜松に帰ってきてここに根を下ろしたということを見つけてもらいたくて、シンプルな名称にしました。
 しかし、浜松市都田町の「安田クリニック」は、世界でonly oneのロゴ・マークを頂いた診療所なのです。

 かの吉永小百合さんの現在公開中の話題作、「まぼろしの邪馬台国」のタイトルロゴを作製された、佐藤修悦さんが、「安田クリニック」のシンボルマークとロゴを、ガムテープで作ってくださいました。
 よい料理人にかかると、素材がシンプルなほうが、料理の味がいっそう引き立つかのように、「安田クリニック」に命が吹き込まれたような気がします。
 佐藤さんはとても気さくな方で、初対面であることを忘れさせてしまうような不思議な魅力に引き込まれてしまいました。この存在感こそが、私のクリニックが目指すものなのだと納得するとともに、修悦体の看板の元でこれからの半生を地域に根を下ろして生きていくのだという感慨がこみ上げてきました。
 さすがにガムテープのオリジナルを外看板に長期間出しておくわけにはいきませんので、コピーした文字が看板としてお目にかかることになりますが、ガムテープのオリジナルは額に入れて、開院後にクリニックの待合室に大切に飾る予定にしています。